銭湯で、50代か60代くらいの人の体を見た。
ゆるんだお腹。
下がったヒップライン。
少し丸くなった背中。
そのあと、鏡に映る自分を見る。
正直、最初に思ったのは
「……まだ大丈夫。」
だってついさっき、
交差点で20代くらいの男の子グループに
「お姉さん」って言われたばかりだったから。
直接じゃないよ。
ぶつかりそうになっただけ。
でも、その一言で
少し安心している自分がいた。
まだ、いける。
まだ、そっち側じゃない。
——そう思いたかった。
でも。
鏡に映った自分の下腹は、
確実に前より出ていた。
ほんの少し。
でも、ちゃんと始まっている変化。
若さは、まだ残っている。
でも、時間はちゃんと進んでいる。
私は、すごく若返りたいわけじゃない。
モデルみたいになりたいわけでもない。
ただ。
いつかは歳をとる。
それは止められない。
でも、その下り坂を
少しだけ、ゆるやかにしたい。
下り坂は止められない。
でも、ブレーキくらいは踏めるかもしれない。

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